ファクタリングというのは、一般的に、企業の取引などによって得られた売掛金などの債権を業者に譲渡することによって、回収できる期限の前であっても、即座に現金化することができるというしくみのことをいいます。このしくみは、障害者総合支援法の定めるところによって、身体障害者をはじめとする障害者や難病患者などにサービスを提供した際の自立支援給付費債権に対しても、おなじように用いて現金化することが可能となっています。自立支援給付費債権については、サービスを提供したのちに集計して、国民健康保険連合会に対して請求データを送付することになりますが、ここでチェックを受けた上で、実際にそれぞれの自治体から支払いがあるのは、2か月程度先のこととなります。したがって、その間には債権としては成立していたとしても、手元に現金がある状態ではないため、たとえば設備を入れ替えたり、人員を確保したりといった場合の入用には対応できなくなってしまいます。

そうした不都合をおぎなうことができるのが、ファクタリングの最大のメリットですが、自立支援給付費債権の場合には、企業の売掛金などとは違って、企業の貸し倒れなどにあたるようなものがなく、期限まで待つことさえできればほぼ確実に支払われる債権であるという特徴があります。そのため、ファクタリングを利用する場合であっても、他の債権とは異なり、かなり有利な条件での現金化が可能となるわけです。