介護保険制度では、利用者からの利用料自己負担金と残りを介護給付費で賄う制度になっています。このうち介護給付費すなわち介護給付金は、その事業者が介護保険制度による事業を続ける限りまた利用者が存在する限りは、ほぼ自動で収入になり得るものです。したがって、将来受け取りが可能なものであると見なせます。介護保険制度では在宅にしろ施設にしろ、事業開始に当たって相応のコストがかかります。

その資金をどう捻出するのかが難しい問題でした。ところが、事業開始後受けとるであろう介護給付金を利用したファクタリングによって、資金不足の心配が薄れるという事情も生じています。この介護給付金では、国民健康保険団体連合会すなわち国保連への請求となり、審査から支払まで一定の日数が必要となっています。そのため、サービス開始後すぐに資金が足りなくなる恐れもあり、ファクタリングにより資金の確保を行うことも可能になってきている状況です。

制度を利用しての事業であれば、その制度からの補填が十分に賄えると判断されれば、ファクタリングによる資金調達がたやすくなってきています。しかしながら、介護保険制度の利用者の急増が見込まれており、国、厚生労働省では徐々に制度の見直しによる支出抑制に傾いているとされます。したがって、事業の見通しが甘ければ、今後資金の貸し出しなどを渋られる可能性は否定出来ません。利用する側もしっかりとした資金計画や収支見通しが必須となっています。