ファクタリングとは売掛債権をその支払期日以前に現金化するサービスですが、どんな売掛債権であっても等しく現金化できるわけではありません。業務としてこのようなサービスを提供している以上、最低限の手数料が発生するのは致し方ありませんが、最低限の手数料で済む場合と、それでは済まず、手数料が大きくなるケースとがあるのです。どういうことかというと、一つにはもちろん支払日までの日数です。例えば1週間後に支払われる予定の債権と、3ヵ月後に支払われる予定の債権があったとしますと、ファクタリングで有利なのはもちろん前者です。

誰でも早く現金を手にできるほうがありがたいですから、前者のほうが高い値段で買い取ってもらえるのです。また、ファクタリングにおいては債務者の信用度も重要です。日本のような平和で安定した国にいるとよく忘れられがちなのですが、期日到来時に本当に支払ってもらえるのかという信用度です。支払いを渋られたり、踏み倒されたりするようなことがあっては困ってしまいます。

もちろんそれまでに倒産してしまえばそれこそおしまいです。ということで、債務者の信頼度が高い売掛債権が有利です。最も有利なのは債務者が国や地方自治体その他の公的な機関であるような場合です。こういう場合は倒産したり踏み倒されたりする危険性が事実上ゼロですから、買い取るほうとしてはそれだけリスクが少なく、その分だけ高い価格で買い取ってもらえることになるのです。